ブログデザイン更新(2021.1)

 笑う国

むかし むかし

あるところに

小さな国がありました。

その国の王様は、人を笑わせることが得意で、自分のネタに笑う

みんなの笑顔が大好きでした。

そして、

いつも人々を笑わせていました。

「あははっ」

「はははっ」

「ぶぁっ ふぁっ はっ」

国にはいつも笑いが絶えず、人々は幸せに暮らしていました。

しかし、ある日、王様の前に悪い魔女が現れて、

王様に”地球温暖化貢献病”の呪いをかけてしまいました。

すると、王様のお話は途端につまらなくなってしまいました。

初めのうちはみな、王様の調子がたまたま悪いのかと思って、

王様のネタに気遣って愛想笑いをしていました。

しかし、だんだん王様のネタを笑うことに疲れてしまいました。

当の王様はいつも通りみんなが笑う姿を見て満足していました。

そして、あるとき、ついに王様のギャグにみな反応できませんでした。

王様はいつもの得意のどや顔をするつもりが、びっくりしてしまいました。

王「あれあれ?みんなどうしたの? もう一回言うYO!(笑)

ワシのふとんがね、なんとふっと(ry」

たまたまスベったと思った王様は、もう1度渾身のネタを繰り返しました。

しかし、結果は同じでした。

そして、ようやく王様は自分のネタがつまらないということに気がつきました。

王様はショックを受けてしまいました。

「笑い」に対して絶対の自信を持っていた王様のアイデンティティはすっかり
崩壊してしまいました。

王「あ〜あ、ワシのプライドが崩壊しちゃったんだよね、
そー、ほうかい。な〜んて! あっ。」

・・・

王「だだスベってるなぁ、ワシ↓」

なんと、
ショックのあまり、王様は笑うことができなくなってしまいました。

それ以降、王様は、誰かが人を笑わせることに対して嫉妬を抱くようになりました。

そして、「笑い」を禁止し、笑わせる者・笑う者がいたら牢屋に入れるという、恐ろしい決まり事を作りました。

手始めに、笑わせ師、お笑い芸人、某戦場のカメラマンのような、笑いのアスリートたちは次々と牢屋に入れられてしまいました。
(※自称笑いの伝道師 たかすぃ・キズィーマはぶち込まれずに済んだようです。)

人々は笑うことを恐れ、笑わなくなりました。

すっかり国は活気が無くなって、さびれ、犯罪も増えてしまいました。

さらに悪いことに、

王妃が重い病にかかってしまいました。

様態は芳しくありません。

王 「王妃よ、どうか元気になっておくれ。」

王妃「ありがとう王様。私のことよりも、この国を元の活気ある国に戻してほしいわ。
どうかつまらないプライドを捨てて、もう1度向き合ってくださ    い。」

王 「・・・。 わかった。 やってみる。」

王妃の助言を聞き入れ、
王様はみなの前でもう1度自分のネタを言う決心をしました。
プライドを捨て、たとえスベっても構わないという気持ちになりました。

ついに
王様は、人々に
笑いへの思い、国の荒廃への反省、王妃の病状を涙ながらに伝えました。

そして、ここでまさにまさかの
切れたジャックナイフではなく、錆びたブロンズナイフの
ような持ちネタを繰り広げようとした瞬間、

「あははっ。」

1人の男の子が笑いました。

あわてて、その子の父親らしき人物がその子の口を手で閉ざさせました。

王「少年よ。どうして、笑ったんだい?」

王様は男の子に語りかけました。

男の子は言いました。

男の子「だって、王様の泣いてる顔がおもしろいだもん!」

人々は一瞬キョトンとしました。

そして、まもなく笑い声がこだましました。

「あははっ」

「はははっ」

「ぶぁっ ふぁっ はっ」

国民A「本当だ! 王様の泣いてる顔がおもしろい!」
国民B「泣いてる王様の顔はなんだかまるで○○のようだ」

王様は新たな発見に気がつきました。

王「そうかっ。 笑いとは、笑わせる者が笑わせることによってだけでなく、笑う者が笑いを見つけることからも生まれるのだ。」

「ふぁっ ふぁっ ふぁっ」

王様も笑いました。

王「いろいろ迷惑かけてすまなかった、人々よ。これからは、私だけでなく、国民一人一人が笑いの資格をもって、みんなで笑いの国を作ろうYO!  (笑)」

「あははっ」

「はははっ」

「ぶぁっ ふぁっ はっ」

しばらくして、
王様のネタはすっかり元通り、
W杯の大久保のようにキレキレになり、
みんなをドッカン ドッカン笑わせました。

王妃の病状もすっかり良くなり、

国にも活気が戻ってきました。

こうして、この国は
他の国から「笑う王」ではなく、「笑う国」として
有名となりましたとさ。

おしまい。

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