夢を見た―
小学4年生の自分
ヒスイを取りに行った宮崎海岸
ザザ―ッ
ザザ―ッ
ザザ―ッ
浜辺に波が打ち寄せている
ここの波は静かで、水が美しい
海岸はたくさんのいしで埋め尽くされている
ぼくはヒスイを探した
・・・
・・・
・・・
見つからない。
どれくらい経っただろうか
ふと、浅瀬にキラりとひかるいしが見えた。
ぼくはくつを脱いではだしになって浅瀬に入った。
ざぶん
ざぶん
水は思ったよりも冷たくなかった。
膝までの深さだった
あたりを手探りしていると
そこにヒスイらしきものがあった
ぼくはそれを拾った。
それは
緑色で平行四辺形に近い形をした
つるつるしてきれいないしだった
ぼくは得意げに浜辺に戻った
よくみると、あたりにはきれいないしはたくさんあった
丸いいし、しかくいいし、白いいし、黒いいし、平べったいいし、ぶ厚いいし
僕は夢中になって拾った
ほしい
このいしは・・・
あのいしは・・・
ほしい
ほしい
もっとほしい
手のひらはいしでいっぱいになった
ぼくは満足気だった
ふと、隣をみたら
ともだちがいた。
かれは半ズボンの右ポケットから小さないしを取り出して
ぼくに見せて微笑んだ
そのいしは、うすよごれ、形が悪かった
でも
かすかに光っていた
ぼくははっとした
手に持ったすべてのいしを海にそっともどした。
ぽちゃん
ぽちゃん
ぽちゃん
・・・
ふと、自分の半ズボンの右ポケットにも何かがあることに気がついた
ぼくは、右ポケットをさわり、その何かを取りだした
それは
表面がつるつるできれいな小さないしだった
でも
よくみると、そのいしにはテープが貼られていた。
テープをはがすと、
やっぱりうすよごれた形の悪い小さないしだった
ぼくはそのいしをともだちに見せて、微笑み返した。
目が覚めた―
僕の半ズボンの右ポケットにはまだ入っているのだろうか
あのときのいしが
それとも、一回り大きくなったいしなのか、あるいは別の―
磨いていきたい
あなたは、どんないしをもっていますか?