ブログデザイン更新(2021.1)

あいつがいない

いつだってそう

近くにいたら、ありがたさはわからない。

でも

ふと

いなくなったとき

あらためて、存在の大きさを知ることになる。

よくあるはなし、でも時に考えてしまうはなし。

あいつがいなくなった

あいつは
どこにでもいる。
あまり存在感があるとはいえない。
いつも主役になることもなく、脇役に徹していた。

あいつは
ときに厳しく、苦々しいことをいうが、
腹を割れば、かわいらしいところもあった。

そんなあいつは、
交友関係も広い。
あいつは、みんなから慕われていた。
だって、相手を引き立てようと、あいつが陰で努力していることを
みんな知っているから。

この前もそう。茨城出身の曲者のPに対しても、
あいつは優しく接していた。

Pはいつも顔色が悪く、真っ青だった。
その上、顔も左右非対称でゴツゴツしている。

そのせいか、よく子供からは嫌われていた。

Pを慕う者は限られていた。

でも、あいつはPを拒まなかった。
「お互いを伸ばそうね!」っと、いつもポジティブに接していた。

あいつはKとも仲が良かった。
Kはおおらかで包容力があり、
まるで相手を包み込むかのような優しさをもっていた。
ときに、Pから「お前は甘いやつだ。」と批判されることもあったが、
Kは芯が強く、誰からも慕われていた。

そして、もちろんスーパースターのBとも。

彼がいないと物語は始まらない。
いつもパワフル全開で、みんなにエネルギーを与えてくれる。
おおざっぱな印象を与えるが、意外に几帳面なところもある。
Bはいつも中心にいる。彼がいるから、みんな満たされる。
あいつは、Bを支えることに誇りを持っていた。
そして、Bも、面と向かっては言えないが、
「いつもあいつに感謝している。」と陰でこっそり言っていた。

それは
今日のことだった。

おかしいな。

あいつがいない。

「しょうがない、あいつも休みたいときはあるよ。」

みんな、納得した。

だから、今日はPとKとBだけで遊ぶことにした。

Bのテンションはマックスで、まるで導火線に火がついたように燃えていた。
あまりに熱くなりすぎて、こんがりと日焼けしていた。

Kはあまりの暑さにすっかりへなへなになっていた。

Pも汗をかいていた。夢中に遊んでいたら、いくつもかさぶさを作ってしまったようだ。

気づけば
辺りはすっかり暗くなっていた。

突然、
空から、ドロドロした、泥水が降ってきた。

じゃぶじゃぶ

じゃぶじゃぶ

泥遊びは楽しいな

でも、

そろそろ帰る時間だね。

みんなで一緒に帰ろう。

あれ、
何かが足りないよ。

いつもと違う。

楽しいけど、いつもと違う。

あいつがいないからだ。

うん、あいつがいないとさびしいな。

小さく縮こまってもいいから、今度は顔を見せてよ・・・

以上、今日の夕ご飯で
回鍋肉を作って、ネギを忘れて、ふと感じたことでした

おしまい

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