久しぶりに良本に出会えた。
タイトルや煽り文句に狙ってるところがあり
ひねくれ者の僕は斜に構えたが、思わぬ良本だった。
灘校教師の橋本さんの
「なんとか生徒の心に生涯残って、生きる糧となる授業がしたい」という
強い思いが伝わってきた。
教科書を使わず、中勘助の小説『銀の匙』の文庫本を
中学の3年間をかけて読み込み、生徒同士が議論し合い、実際に作品内に出てくる凧揚げや駄菓子を食べたり実践する驚異の授業である。
この授業はまさに、短期的な成果ではなく、
人生でもずっと使うことのできる考える力を養うだろう。
「すぐ役立つことは、すぐ役に立たなくなる」
橋本さんはそう語り、遊び心を持ちながら学びの本質を伝えている。
授業の内容は決してラクな方法ではないが、
素晴らしい教師とかけがえのない仲間と共に、好奇心を持ちながら
共同で作っていく学びの空間こそが、考え抜く力を養っていく。
自分に当てはめてみても、大学生時代のシンポジウムや、
アメリカ留学時代、スタディーグループを作って
アメリカ、中国、カンボジア、アフガニスタンなど様々な学生たちと
「あーでもない、こーでもない」と答えを考え、自分の意見を持ち、
同時に他者の意見を理解して議論した日々が、
問題にぶち当たった時に、思考する力を養ってきたと感じる。
http://earth-words.org/archives/10369
大切なことは、
人生を生きていくために必要となる
「考える力」を養うことです。
そして、人生の横道には、
キラキラと輝く宝物が
たくさん落ちていることを
知ることだと私は思うのです。
僕も、自分の道にとって大切な宝物を拾い続けていきたい。